それでは、さっそくBCPを策定する場合に注目しておきたい3つの確保をご紹介します。
●従業員の安全確保
●代替設備の確保
●代替工場の確保
●従業員の安全確保
緊急時の事業普及に最も必要なのは従業員です。ですのでまずは従業員の安全確保体制を整えていきましょう。
工場の早期再開に向けて体制を整えるため、安全確保、安全確認が重要で最優先になります。
安否確認の方法は様々ありますが、統一してメインの連絡網と万が一を備えたサブの連絡網を整えましょう。
└私用携帯にSMSメッセージまたはメールを送信する安否確認システム
└SNSの活用
└GPSなど位置確認ツール
大規模災害ではケータイの連絡が難しいことを想定して、考慮しておきましょう。
●代替設備の確保
施設自体に被害がなくても施設内設備が破損している場合があります。
そのための代替設備の用意が必要になります。
ただ、代替設備に大量のコストを費やすのは難しいため、保有している他設備(新設備を導入する際にも転用を考慮しましょう)や他社との協力体制を整えたりなど対策をしておきましょう
●代替工場の確保
耐震工事や防災対策が万全であっても工場の被災を想定しなくてはいけません。
万が一倉庫・工場の機能が停止してしまった場合は事業継続・復旧が早急に行える代替拠点を確保しましょう
管理倉庫、生産工場の分散が重要になります。
他社と緊急時相互支援する協定を結ぶなど事前準備もよいかもしれません。
もちろん物理的なソースを確保しただけでは足りません。
各種緊急時に合わせて、確保したものをどのように有効活用していくかも重要になります。
事前準備として3つの施策を行いましょう。
●防災対策訓練の実施
●継続する重要業務の選定
●取引先の分散
●防災対策や訓練の実施
災害発生時の被害を最小限に抑えるためには施設自体の防災対策が重要です。
耐震措置や防災設備の導入はもちろん、太陽光発電などの自家発電設備と蓄電システムの導入も検討しましょう(非常時の最低限な活動が可能になる)
緊急時の従業員安全確保のための避難訓練も定期的に行いましょう。
●継続する重要業務を選定
非常時に継続する事業を選定しましょう。
内閣府の防災ページでも、「災害時に特定された重要業務が中断しないこと」としているように、災害など緊急時に最優先に継続・復旧する業務を定めるべきです。
緊急時業務遂行可能な従業員数、利用できる設備、資金に制限があるためバックアップを作っておくことが大事です。
最優先する業務を選定する判断軸は従業員の安全確保の上で経営への損害が最小になるように総合的に判断をするべきです。
また緊急時のリソースは制限されている状態ですので、現実的な目標普及時間を設定しましょう。
●取引先も分散
重要業務を継続していくためにも仕入れや納品先の分散も重要です。
自社が緊急時に陥れてしまうのと同様に、取引先も予想できない危機的状況になりえます。
分散することで仕入れ・納品など物流減はありますが、壊滅的な状況には陥らないでしょう。
BCP対策を考慮するうえで欠かせないのがBCMです。
BCP:事業継続計画
BCM:事業継続マネジメント
BCPの策定から導入、運用、見直しを継続的に改善することがBCMになります。
日本のBCP策定状況では大企業が7割に対し、中堅企業は4割ほどとなっております。
中でBCP策定や推進にあたっての問題Top3が大中企業ともに同じような問題でした。(順不同)
●部署間の連携が難しい
●策定する人手を確保できない
●BCPに対する現場意識が低い
またBCP策定の見直しについて毎年見直しを行っている企業は全体の25%で、約7割超えは不定期な見直しで終わっています。
現状BCPへの意識が高まりつつありますが、それをマネジメントしている企業は少数になっております。
適切なBCP対策を策定すると同時に、緊急時には策定されたBCPに沿って運用し、プロセスの改善を図るマネジメントを行うことが重要です。
BCP、BCMともに正しく機能しているかが重要になります。
BCPでは「3つの確保」と「3つの施策」がしっかり機能しているか確認しましょう。
BCMでも以下3点を進めていきましょう。
●マネジメント人員を確保し研修などで社内のBCP策定を浸透させましょう
●社外(取引先や近隣他社)に事前にBCP策定を共有し理解していただく
●定期的な見直しを行いましょう
今回は工場・倉庫のBCP(事業継続計画)対策とBCMについてご紹介させていただきました。
BCP策定について、大企業と中小企業ではBCPに対する意識の格差がかなりあります。
自然災害以外にも感染症や経済ダメージなど様々な状況にある中BCP策定、BCMは非常に大切な施策と考えられます。
リスクの回避や分散について検討し準備していきましょう。